「今の塾に通っているけど、もう一つ塾に通わせたほうがいいですか?」
保護者の方から、こんな相談を受けることがあります。
成績が思うように上がらなかったり、テストの点数が伸びなかったりすると、
「今の塾だけでは足りないのかな?」
「別の塾にも通わせたほうがいいのかな?」
と考えてしまうのは、当然のことだと思います。
では、塾の掛け持ちは「アリ」なのでしょうか?「ナシ」なのでしょうか?
結論から言えば、
目的がはっきりしているなら、掛け持ちもアリ。
ただし、ただ単純に「勉強時間を増やせば成績が上がる」というものでもありません。
塾を掛け持ちするメリット
まず、メリットとして考えられるのは、
① 違う視点から教えてもらえる
先生によって教え方や説明の仕方は違います。
一つの塾では理解できなかったことが、別の先生の説明で「あっ、そういうことか!」となることもあります。
② 苦手分野を補いやすい
「普段の塾では5教科を見てもらっているけど、英語だけは別の先生に教えてもらう」
など、目的を絞った掛け持ちであれば意味がある場合もあります。
③ 勉強する時間を確保できる
家ではなかなか勉強できない子にとって、塾に行くことで強制的に勉強する時間を作れるというメリットもあります。
ただし、ここには大きな注意点があります。
塾を掛け持ちするデメリット
① 勉強時間が増えすぎてしまう
塾A、塾B、学校の宿題……。
毎日予定がいっぱいになってしまうと、子どもは疲れてしまいます。
そして、疲れている状態では、せっかく勉強してもなかなか頭に入りません。
② 「わかったつもり」になりやすい
塾で先生に教えてもらう時間が増えると、
「今日はたくさん勉強した!」
という感覚は得られます。
でも、
先生に教えてもらうことと、自分で問題を解けることは別物です。
授業を受ける時間ばかり増えて、自分で問題を解く時間が減ってしまっては本末転倒です。
③ 塾によってやり方が違うことがある
先生Aは「こう解く」と言い、先生Bは「こう考える」と言う。
もちろん、どちらも正しい場合はあります。
しかし、勉強が苦手な子にとっては、複数のやり方を一度に教えられることで、かえって混乱してしまうこともあります。
④ 自分で勉強する時間が減る
個人的には、ここが一番大きなデメリットだと思っています。
塾を掛け持ちすることで、塾にいる時間は増えます。
でも、その分、
「自分一人で勉強する時間」
が減ってしまう可能性があります。
実際、掛け持ちしたら成績は爆上がりするの?
ここは、私自身が塾を運営してきた中で感じていることを正直にお伝えします。
私はこれまで、多くの生徒さんを見てきました。
その中で、
「塾を掛け持ちしたことで、テストの点数が爆上がりした!」
という生徒さんは、正直ほとんど見たことがありません。
もちろん、掛け持ちそのものを否定しているわけではありません。
目的が明確で、本人にも合っているのであれば、効果的なケースもあります。
ただ、
「今の塾だけでは足りないから、もう一つ増やせば成績が上がるはず」
という考え方には、少し注意が必要だと思っています。
結局、一番大切なのは「塾にいない時間」
成績を伸ばすために大切なのは、
「どれだけ塾に行ったか」
だけではありません。
むしろ、
塾にいない時間に何をしているか。
ここが非常に重要です。
塾で教えてもらったことを、家に帰ってから自分で解いてみる。
間違えた問題をもう一度やってみる。
覚えた英単語を自分で確認する。
学校のワークを繰り返し解く。
分からないところを次の授業で質問する。
こうした積み重ねが、最終的に点数につながっていきます。
塾は、あくまでも「成績を伸ばすためのサポート」です。
塾の先生が勉強してくれるわけではありません。
どれだけ素晴らしい授業を受けても、どれだけたくさんの塾に通っても、本人が自分で勉強しなければ、なかなか結果にはつながりません。
だからこそ、
「塾を増やす前に、
と、一度考えてみてほしいと思います。
「塾を増やす」より「自分でやる」を増やす
もちろん、塾の掛け持ちが悪いわけではありません。
大切なのは、
「なぜ掛け持ちするのか?」
という目的です。
苦手教科を補いたい。
特定の分野を強化したい。
受験対策で専門的な指導を受けたい。
このように目的が明確なら、掛け持ちにも意味があります。
一方で、
「成績が上がらないから、とりあえずもう一つ……」
というのであれば、その前にぜひ、
「塾に通っていない時間の過ごし方」
を見直してみてください。
成績を伸ばすのは、塾の数ではありません。
最後に自分を伸ばしてくれるのは、
自分自身の努力です。
塾で学び、家で取り組み、間違えて、また考える。
その繰り返しが、少しずつ「できる」を増やしていきます。
「どこの塾に通うか」ももちろん大切。
でも、それと同じくらい、
「塾にいない時間に何をするか」
を大切にしてほしいと思います。
最後に
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